経脈と絡脈、経別などについて
経絡の種類について
経絡について理解を深めると、氣功を行う上で良いと思われます。
経絡とは、一般的には、
「氣血と言われるエネルギーが運行するルート」
とされ、詳しい説明によれば、
「縦方向に流れる経脈と、経脈から分布して、身体各部に広く分布する絡脈を総称するもの」
などの記述があります。

これらと、氣功を行う時のポイントも合わせて説明させていただこうと思います。
経絡の構成
一般的には、経絡と言えば、

こちらの画像のようなイメージが多いです。
これも、分かりやすいのですが、経絡には図に示されている流れの他の流れもあります。
経別(けいべつ)について
12の正経は、体内にも流れがあります。
「正経の一部位より別れて人体を循り、再び、ある部位で自経や、表裏の関係にある経脈と合する」
とあり、
図のように記されているルートから体内に入っていって、関連する臓腑に連絡します。
絡脈について
※絡脈は、広義と狭義があります。
・十五別絡
「正経の一部位から別れて循る支脈のこと、その特徴は、表裏関係の経脈を連絡することである。なお、例外的な別絡として、任脈、督脈の別、および脾の別があり、正経の十二と合わせて十五別絡となる」
とあり、大きな絡脈が十五あるとされます。
・絡脈と孫脈
十五ほどの大きさはないですが、経脈より枝分かれしている脈を狭義の絡脈と言います。
また、絡脈よりさらに分かれ、細かく分布している脈のことを孫脈と言います。
簡単にまとめると、経脈と呼ばれる氣血が流れるルートがいくつかあります。
その経脈から体内に入り臓腑を循って、また外と繋がるルートがあります。
また、経脈から別れる代表的な大きなルートが十五あり表裏の経脈を連結する、他にもルートが枝分かれして広く分布している。
と言う風になります。
これは、血液の流れも似たように感じます。
名前の付く大きな動脈や静脈があります。
ただし、それのみで存在するわけではありません。
その脈に繋がる、毛細血管が全身に広がっています。
血液は毛細血管から、中程度の血管、そして、大きな大動脈や大静脈を循環しています。

こうして、全体を血液が循環するように、人の体も経絡を通して氣血が循っていると感じます。
毛細血管の名前がないように、また、記載しないように、経絡も小さいなものに名前がなく、記載もおこなうことが少ないです。
図は分かりやすいように、代表的なものを簡略化したものと考えていただき、全身に経絡がある、繋がっていると考えていただくのがおすすめです。
体の内と外について
経絡の本には、さきほどの経別が体の中を循るので、「体内流注」と言い、これに対して、体表の経絡の流れを「体外流注」と言うこともあります。
気の種類では、
血と一緒に脈中を流れる氣を「営気」と呼び、防衛・体温・発汗を調節する気が脈外に流れており、それを「衛気」と呼ぶことがあります。
※諸説あります
また、百会と天を結ぶ氣の流れ、会陰と地球を結ぶ氣の流れもなども認識できます。

このように氣の流れは、氣功として行う場合には、体内、体外もそれぞれ運行するものとして認識します。
氣功における経絡について
経絡は氣血が循っているものですが、その流れる量に差があります。
具合が良くない時には少なく、健康になるためにはある一定の量、さらに流れる量を増やしていくのが氣功の一つの目的です。
氣の流れる量と、経絡の詰まりは関係があり、経絡を開いていくことが大事です。
練功法をする際には、閉じている経絡を開いてくいくように行うと心身の変化がでてきます。
うまく経絡を開いていくと、
・経別の流れより、対応した内臓の働きが活性化する
・任脈や督脈に氣を流すと、その場所で絡脈に氣が流れる
・帯脈と呼ばれる体を横に循る奇経では、それぞれの位置で体を上下に氣が流れていく
などがおきてきます。

また、体外流注の観点から、天地との間でも氣の循環がおきます。
それらも、取り組むことで、天地からの氣の吸収量が増えてきて、心身の変化が強く出てきます。
天地との繋がりも強くするように練功を行います。
経絡は全身を巡り、天地に繋がる
以上のように、経絡は全身に分布して、氣は全身を巡ります。

経絡に対しるイメージを更新していただき、氣功に取り組み、経絡を開いていくと、これを感じられます。
そして、天地からの氣の吸収量が増えてくると、体内外を循る氣の量も増加してきます。
ヒーリング、外気治療と言った氣を扱う技術でも、用いる氣が増えると、効果が高まることが期待できます。
これらに知識をうまく取り入れて、ご活用していただければと思います。