体の繋がりについて

体には繋がりがある

体が動くには、骨や筋肉などがあり、それがつながることでより効率的な動きになります。

アナトミートレイン

「筋肉は単体で動いているのではなく、膜(筋膜)のつながりによって全身タイツのように連動している」という身体観を説いた理論です。

理学療法士、ボディーワーカー、スポーツトレーナーなどの間で非常に有名な概念です。

基本的な考え

従来の解剖学では、筋肉を「起点から停止まで」の個別のパーツとして捉えてきました。

しかし、筋肉を包む筋膜(ファシア)に着目し、それが全身を走る「線(ライン)」としてつながっていることを発見しました。

これを「線路(トラック)」、その上にある筋肉や骨を「駅(ステーション)」に見立てたため、アナトミートレインと呼ばれています。

 

この筋肉の繋がりを意識して動くことで、全身の連動性が高まるため、スポーツやダンスでの動きがスムーズになります。

経筋について

東洋医学には「経筋」の考え(経絡ではない)があります。

アナトミートレインと驚くほど内容が似ていることで知られています。数千年前の東洋の知恵が、現代の解剖学で証明されたような関係性です。

経筋について、わかりやすく解説します。

東洋医学には「経絡(けいらく)」というエネルギー(気血)の通り道がありますが、その中でも筋肉のつながりに特化したルートを「経筋」と呼びます。

  • 役割: 関節を動かし、骨格を維持する。
  • 特徴: 経絡(正経十二経)に沿って走行しますが、内臓には入らず、あくまで体の表面(筋肉や関節)を流れます。
  • 「点」ではなく「面」: ツボ(経穴)という点だけでなく、筋肉の大きなラインとして捉えます。

アナトミートレインと経筋図を比較すると、そのルートは80%以上一致すると言われています。

経筋の理論では、筋肉のトラブルを以下のように捉えます。

  • 「結(けつ)」: 筋肉が凝り固まって結び目のようになった状態(現代で言うトリガーポイント)。
  • 「弛(し)」: 筋肉が伸び切って力が入らない状態。

東洋医学では、この「結」がある場所(痛いところ)だけでなく、その経筋のルート上にある別のポイントを刺激することで、全体のひきつれを解消しようと考えます。これは、動きにも関係していると考えられます。

勁道について

「勁道」は、主に中国武術(太極拳、形意拳、八卦掌などの内家拳)において追求される、「勁(けい)」という特殊な力が伝わっていく道を指します。

これも実は、これまでの2つと密接に関係しています。

力と勁を区別して考えます。

  • 力: 部分的な筋肉の収縮で生み出す力。一般的な筋力の力。
  • 勁(けい): 全身を「筋膜のライン(アナトミートレイン/経筋)」として連動、統合し、重力、地面からの反発力などの力

運動は、単一の筋肉のみを利用するのではなく、この勁道を使うことで、全身の運動としてより大きな力を発揮できるようになります。

また、これに重量や抗力、遠心力、伸張反射などを利用するこもさらに、大きな力を発揮できるようになります。

骨の繋がり

他に、全身の骨はつながっており、これも、重要です。

骨は一見バラバラのように見えますが、骨の周りは骨膜と言う膜で覆われています。

骨と骨膜は、「硬い支柱(骨)」と「多機能なメンテナンス膜(骨膜)」として完璧なペアを組んでいます。
骨膜が骨の表面をピタッと覆い、内部まで線維を食い込ませています。

また、骨膜から関節包、靭帯へと組織を変えていき、次の骨に繋がります。

これにより、全身の骨も、繋がっているのです。

皮膚の繋がり

人体の一番外側に皮膚があります。

皮膚は、私たちの体を包み込んでいる「人体で最大の臓器」です。単なる「膜」ではなく、外部の刺激から身を守り、体温を調節し、情報を感知するという非常に重要な役割を担っています。

この皮膚も全体で一つの膜のようなもので、全身でつながっています。

気(エネルギー)の繋がり、経絡

先ほどまでは、物理的な繋がりでしたが、エネルギーの繋がりも存在しています。

それは、東洋医学などで経絡と呼ばれます。

「経絡(けいらく)」を一言でいうと、私たちの体の中を流れる「エネルギー(気)の通り道」のことです。

経絡は、

に分類されて、またある部位で繋がり、次の経絡に気が流れていき、全身を巡り、繋がっています。

繋がりは独立しながら、影響を及ぼしあう

これらの繋がりは、それぞれ独立したものになります。

しかし、独立しながらもお互いに影響を及ぼす関係でもあります。