体の細分化、ボディマッピング
ボディマッピングとは?
私たちの脳内には「自分の体はこうなっている」というイメージ(ボディマップ)が存在します。しかし、このマップが実際の体の構造(関節の位置や骨の太さなど)とズレていると、脳は体に無理な指令を出してしまいます。
解剖学的な体と自分で認識している体に大きな差があります。
- マッピングが正しい状態: 動きがスムーズで、疲れにくく、怪我をしにくい。
- マッピングが誤っている状態: 無駄な力が入り、慢性的な凝りや痛み、パフォーマンスの低下を招く。
よくある「間違い」の例
- 首の付け根: 多くの人は首の関節を「肩のライン」あたりだと思っていますが、実際は**「耳の穴の奥(もっと高い位置)」にあります。
- 腰の曲がる位置: ウエストラインで体を曲げようとしがちですが、本来の回転軸はもっと下の「股関節」です。

なぜ重要なのか?
「姿勢を良くしよう」と意識しても長続きしないのは、脳内の地図が間違ったまま無理に形を整えようとしているからです。
- 脱力(リリース): 正しい骨格の位置を理解すると、不要な筋肉の緊張が解けます。
- 表現力の向上: 関節の可動域を最大限に活かせるようになります。
- 痛みの予防: 腱鞘炎や腰痛など、誤った体の使い方が原因のトラブルを根本から防げます。
これは、日常での動きやもちろん、運動するとき、気功の動功、瞑想を深める上でも重要なことです。
さらに細分化していく
「体の細分化」は、ボディマッピングをさらに一歩進めた、非常に洗練されたアプローチです。
「体幹」や「腕」といった大きな塊ではなく、「背骨の一節一節」や「指の付け根の小さな骨」を、それぞれ独立したパーツとして認識し、別々に動かせるようにすることを指します。
この感覚が鋭くなると、動きの「解像度」が劇的に上がります。

体の細分化ができるとどうなるか?
細分化が進むと、これまで「一塊」だと思っていた場所が、精密機械のギアのように連動し始めます。
- 無駄な力みの消失: 特定の筋肉だけをピンポイントで使えるため、周囲の筋肉を巻き込んだ「力み」がなくなります。
- 動きのしなやかさ: 猫のように滑らかな動きや、指先の繊細なコントロールが可能になります。
- 疲れにくさ: 重心移動がスムーズになり、最小限のエネルギーで動けるようになります。
細分化の重要ポイント:背骨と四肢
特に細分化の効果が高いのは、以下の部位です。
① 背骨(脊椎)の細分化
背骨は24個の骨が積み重なっていますが、多くの人は「背中」という一つの板のように使っています。
- ワーク: 椅子に座り、一番下の尾骨から一つずつ順番に積み上げるように背を伸ばし、次に頭の先から一つずつ丁寧に丸めていく。これだけでも、背骨の「一節」を意識する訓練になります。
② 手足の末端(指の付け根)
指を動かすとき、多くの人は「手の甲」から動かしていますが、実際には手首の近く(手根骨)から動きが始まっています。
- ワーク: 手のひらの中にある小さな骨が、それぞれ独立して動くイメージを持って指を動かしてみましょう。

脳の地図」を書き換えるトレーニング
細分化は筋トレではなく、「神経系のトレーニング」です。
- 触れて確認する: 動かしたい部位(例えば鎖骨や肋骨)に自分の手で触れます。触れることで脳に「ここだよ」と場所を教えます。
- 微細に動かす: 1センチ、あるいは数ミリだけ動かすつもりで、ゆっくり動かします。大きく動かすと、周囲の大きな筋肉が助けてしまい、細分化になりません。
- 目を閉じて感じる: 視覚を遮断し、その部位が今どの方向に、どんな質感で動いているかを感じ取ります。
別々に動かす
細分化が出来てきたら、より細かくパーツを別々に動かしていきます。
人間の骨の数は成人で約206個、筋肉の数は約600~650個とされています。
より細かく動かすとは、骨は骨膜、靭帯、関節包でつながっていますが、独立もしているので、一つの骨のみ動かすこと、繋がっている骨をそれぞれ別に動かすことが可能です。
筋肉も、繋がっていますが、それぞれ独立しているとも言えます。
ですので、一つの筋肉のみを収縮することも可能です。
上半身の筋肉と下半身の筋肉を分けて動かすのは当然のこと、
アウターマッスルを動かさず、インナーマッスルのみ動かすも可能となります。

インナーマッスルの特定の筋肉のみ動かすことも可能です。
動かないから、動く、動かせる
各骨や筋肉の開発の順番としては、体が緊張が強い場合は、動かしたい骨や筋肉がはじめは動きません。

まずは、任意の骨や筋肉を動くようにして段階が必要です。
動くようになれば、次は動かせる段階です。
肩甲骨を例にしてみます、

通常腕を動かすことで、肩甲骨が動きます。
ただこれは、肩甲骨を動かしてはいないのです。
肩甲骨を動かすとは、大菱形筋や小菱形筋などを自分の意志で、収縮したり弛緩をして、肩甲骨についている筋肉を、操作することです。
動かせるようになって分かる
動かせることの難しいのが、動かせるようになってはじめて、前は動かせていなかったこと、使えてなかったことです。
自己流のやり方、認識では、できていないことが分からないので、できるようにならないのです。
これは、できる人にアドバイスやチェックをしてもらうことが効率的です。

