ヒーリングの補瀉について
ヒーリングの二つの方向性
氣功を習われる目的の一つとして、自分自身や他者に対してのヒーリング(外気治療等)があります。
健康は、人生における重要なもので、ヒーリングは身に付けると良い技術になります。
このヒーリングには、二つの方向性があります。
二つの方向性とは、東洋医学で言う、虚実、補瀉の概念が分かりやすいです。
今回は、補瀉について説明させていただきます。
虚実について
補寫についてですが、まずは虚実の考えがあります。
人が心身の不調、乱れたときに、表・裏・寒・熱・虚・実・陰・陽で考える八綱弁証(はっこうべんしょう)があります。
その中の、虚実の考えです。
人が不調、乱れる時はバランスが取れている、安定している状態から、バランスが崩れる、どちらかに偏ると言ったこがおこります。
それが虚か実のどちらに崩れているか、偏っているかと考えます。
虚証、虚の状態とは、生命力が低下している、自然治癒力、抵抗力が低下している状態と考えます。
実証、実の状態とは、機能が亢進しすぎている、過剰な状態、邪気が強い状態、邪気に対抗している状態と考えます。
バランスが崩れていて、虚か実になっているので、それを整える、乱れたバランスを取ることで不調が改善すると言うことになります。
補寫について
一般的に、
補(補法)・・・足りない部分を補うこと
瀉(瀉法)・・・悪い部分を取り除くこと
とされます。
補法は、虚証と関係し、生命力、元気が足りないなどの状態の時に、それを補ってあげます。
瀉法は、実証と関係し、余分なもの、邪気などを取り除いてあげます。
一般的なヒーリングは補法的な要素のものが多いです。
瀉法は浄化として扱われることが多いと感じます。
この二つはどちらが優れていると言うものではなく、その時の状態に応じて、使い分けることが良いと思われます。
これは、漢方でも鍼灸でも同様に考えます。
気を使った、技術の一部を紹介していきたいと思います。
補法の技術について
補法としての気功の技術としては、気を吸収すること、流れる氣の量が減っている経絡や経穴、それに関連する経絡や経穴に気を流す、働きを上げるなどになります。
特に生命力は地球との繋がりが大事です。
会陰や足裏などから、地球と繋がる、気を吸収するように行います。
他に人や、物、樹木なども元気を与えてくれます。
前提としては、対象の人や物、樹木などの気が旺盛で良い気であることが必要です。
その人と一緒にいる、物も持つ、身に着ける、樹木の近くなどに行くだけでも元気になりますが、さらに気を吸収や交換(対人周天)をするとさらに効果が高いです。
また、特定の五臓が弱っている場合には、その五臓に直接手のひらを当てたり、かざしたりして気を送ってあげます。
経絡などを使って、その五臓に関連する経絡や経穴に気を送っても効果的です。
瀉法の技術について
瀉法としての気の技術は、余分な気、邪気を出す、気の偏りを整えるなどになります。
余分な気、邪気が多くある場合はそれを取り除きます。
呼吸の際に吐き出していく、体の外に押し出す、詰まっている物を流していくなど行います。
この時にしっかりと、邪気を意識して動かしていくようにすると効果が高いです。
体の中では、足裏にある湧泉は、地球の気を吸収すると同時に、邪気を出す作用も強いとされます。
口から邪気を吐き出しても良いですし、足裏の湧泉から出すように行っても良いです。
イメージを使う場合は、水で流すと効果的です。
自分の頭の上に、清らかな小さな滝を想像します。
そこから清らかな水が流れて、体の汚れや邪気を洗い流す、体内も綺麗にして湧泉から流れ出ていくなどがおすすめのイメージです。
また、実の状態では、体全体の気の偏りが強いこともあります。
その偏りを整えてあげるのもおすすめです。
偏りを整えるとは、上に偏っていれば下におろすようにします。
直接気をおろしても良いですし、体の下方にある足の経穴などを使用します。
また、関連する経絡や経穴などを使用しても良いです。
他には、一部の神社などは浄化作用が強く、邪気の対処としておすすめできます。
小周天はバランスを整える
虚実、補寫はバランスを取ることが重要とお伝えしました。
自己流でバランスを意識せずに行を行っていると、バランスが崩れる時があります。
ここで言うバランスとは、簡単には、陰と陽、上と下、心と体などです。
小周天は、陰と陽の経脈である、任脈と督脈を、前後で、上下で回していきます。
また、そのルート上にある各丹田や経穴を活性化、開くことによってバランスがとれるようになってきます。
他にも、邪気を受けると経絡がつまります、周天法で流していくことで邪気を出すことも可能であり、虚している経絡に気を流すこと可能です。
会陰や百会の経穴を開発することで、天地との気の交流の量が増えて、補寫両方の効果にもなります。
扱える気の量や操作性が向上もしますので、合わせて周天法を行うこともおすすめです。